フランスが気になる理由〜F.O.B. coop〜
「フランスが好き」と言うと聞かれるのが、「フランスのどこがそんなにいいの?」とか、「フランスでなければならない理由はあるの?」などのちょっと深い質問。
好きに理由はないと言うけれど、なぜフランスなのか?
自分なりに振り返ってみると、雑誌の記事や書籍で共感を得た話がほぼフランスに関係していたから。今回はそのうちの一つをご紹介。
昔懐かしのティーン向けファッション誌、MC Sisterのカルチャーコーナーで紹介された F.O.B COOPという輸入雑貨店のオーナー益永みつ枝さんの記事は今でも大切にしています。
当時中学生だった私が初めて知るフランス文化。その内容にグッと共感していました。
益永さんは、洋服は素敵に着飾っているけれどお家には無駄なものが沢山というチグハグさに違和感を感じ始めます。
'よそ行きは立派'よりも、棚の中にしまってあるお客さん用のカップを毎日使いたい。洋服が大事ならコップも大事。
つまり、日常茶飯事が大事!という熱い思いによりお店を始めます。
益永さんは何百年もその'日常茶飯事が大事'を当たり前にやっているフランスを目の当たりにします。
そしてお店の方向性に確信をもち、大量生産、使い捨てによる経済成長とは逆の、丈夫で長持ちするいい品質の生活雑貨を輸入し始めました。
人に生きる勇気を与えてくれる生活雑貨たち。物が人に与える影響を知っているからこその選択。
益永さんがフランスの田舎のご家庭を訪れた際、5歳の男の子がテーブルセッティングをしてお花を飾っている姿を見て、勉強ばっかりしているのが普通だなんておかしいと思ったそうです。
又、欧米の女性たちが生き生きと働く姿を見て、日本の女性たちにも元気に働いてもらいたいという願いを込めて、カフェスペースをお店に設置し始めます。
本当は日本人ってすごい素敵!みんなもっと生き生ききれいに働こうよ!と。
内面を磨くという意味が少しわかり始めたきっかけ。
自分のスタイルをもって自分の好きなものに囲まれて内面も輝いている。きっと人生が充実しているところに惹かれているのだと改めて実感。
ただフランス風を目指しているのではなく、じゃあ私たちはこのままでいいの?と益永さんはお店を通して問題提起されていたのですね。
* F.O.B COOP はファンに惜しまれつつ2015年10月に閉店しました。
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